孤独女と王子様
「人生25年にして、今現在、初恋を体感しているんだ」

由依ちゃんは僕の言葉に驚いた顔をして僕をじっと見た。

「わかば堂書店で初めて由依ちゃんを見て、もうどうしようもないくらい心臓がドキドキして、仕事をしていても家に帰っても通勤中でも四六時中、思うのは由依ちゃんのことばかりで、どうしても近い存在になりたくてスラジェに誘って、由依ちゃんにどんなに冷たいことを言われても、好きで好きでたまらなくて・・・孤独な由依ちゃんの友達でもいいからそばにいたくて、本音を言ったら由依ちゃんが離れてしまうのではないかと、それが怖くて本当のことが言えないでいたんだ。ごめん、由依ちゃん」

由依ちゃんは幅の広い二重の瞼に大きな黒目の瞳を、瞬きを忘れてしまったのではないかというくらい見開いて、その顔のまま首を横に振った。

『謝らないでください。私があの時スラジェに行ったのは、私も最初に剛さんに会った時に、私も今の剛さんの私への気持ちと、同じことを思ったからなんですから』
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