孤独女と王子様
「由依ちゃん?」

由依ちゃんの言葉に、今度は僕が驚いた。

『でも、想いを告げてしまって、また裏切られるのは怖くて・・・友達としてなら、傷つかずに済むだろうと思って。毎週会っているうちに、どんどん想いが募って・・・私も本音が言えなかったのは同じです』

由依ちゃんの大きな瞳から涙が零れて、頬を伝った。

『剛さんは、将来どうなるか分からない身です。ですから例えば恋人同士になったとして、剛さんがどこかのお嬢さんと結婚することになったとか、私がこんな家柄だから付き合うことに反対されるとか、とにかく何らかの理由で別れたらそれっきりになって、離れてしまうのが怖いんです』
「なら、一緒にいればいいじゃん」

僕と由依ちゃんは、考えていることがまるっきり一緒だった。
だから・・・

「"友達"のままでいいじゃん。友達なら、例えお互いにどんなことが起こっても、それが理由で離れる必要はないわけだよ。極端な話、僕が誰かと結婚させられたって、友達として接するなら縁が切れることはないんだから」
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