孤独女と王子様
『何を言っているの?多分、一生由依を抱き続けるよ』

そう言うと、どちらからともなくひとつのベッドで愛し合った。

そして私の地元の名もなきビジネスホテルで本当に寝ずの朝を迎えた。
隣のベッドは、全く使われずに綺麗なまま。

『大丈夫?』

夜が明けてから2時間ほど仮眠をした私達。
目が覚めた剛さんからの最初のひと言。

「気だるい感じ」
『僕も』
「今日って日曜日なんだよね。何か2人でここにいるのが変な感じ。学校サボったみたいな感覚」

私がそう言うと"アハハハ"と笑う剛さん。

『さ、ゆっくり帰りますか』
「うん」

すると、私と剛さんの携帯が同時に鳴った。
2人ともメールの着信。

見ると、相手はお父さんだった。

―"由依、昨日はありがとう。これからの剛との幸せを心から願っているよ"―

同報メールかと思ったら、私に向けた内容だった。

じゃぁ、剛さんは誰からのメールだったの?

『僕も、舟さんだよ』
「でも、内容は違うよね」
『うん』

剛さんはメールの中身を見せてくれた。
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