孤独女と王子様
宇梶さんへの確認は後。
まずは新婦の希望通りにしなければ。
本来はキャプテンの仕事ではないけれど、そんな仕事の枠はこの際関係ない。

衣装室の受付に立つ女性に聞く。

「白ドレス用のサイズ24センチでヒール4センチの靴を用意してください。今から挙式が始まる新婦さんの分です。急いで!」

"は、はい"と慌てて奥へ行った受付の女性。

すると、高さ4センチの白い靴を持って別のベテランそうな女性が出てきた。

僕は普段衣装室との関わりがないため、顔と名前が一致しない。

『もしかして、この靴をご希望の方はプリズムの14時半からの方ですか?』

"プリズム"とは披露宴会場の名前。
時刻は披露宴の開始時刻だ。

「はい、そうですけど」

『それなら散々宇梶さんに言ったはずなんです。新婦の身長とドレスの丈を考えると、4センチだと裾が引き摺ってしまうんです。3ヶ月前に衣装を決めた時、新婦の方も納得されていたはずなんですが』
「宇梶さんにはきちんと状況を伝えていたわけですね?」
『はい。宇梶さんは、"私からご本人に説明します"と言われていたので、こちらはそのまま8センチのものを用意したのです』
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