孤独女と王子様
『多分・・・お父様ですかね?宇梶さんの』
「お父様って・・・仕事場に父親が来てるってことですか?」

娘の仕事に干渉するなんて、親バカもいいところだろう。
それとも、僕への当てつけか?

付き合うどころか、食事に行くことすら拒む僕のことを父親に言って、父親の権力で何とかしてもらおうってことか。

面白い。
付き合ってやろう。

まぁ、その前に、宇梶さんには今日のお客様のことを反省していただかないと。

僕は会議室のドアをノックした。

すると"どうぞ"という声がした。
宇梶さんの声。

ドアを開けて中に入ると、案の定、父親らしき人物と2人だった。

『あ、成瀬川さん』

笑顔で僕を迎える宇梶さん。

・・・どこまで人の心の分からない人なのだろうか。

「ここで何をしているのですか?」
『何って・・・私を訪ねてきた父と話をしていただけですけど』
「会議室は自宅のリビングではありません」
『父はね、こうやって私の様子を時々見に来てくれているんですよ』
< 186 / 439 >

この作品をシェア

pagetop