孤独女と王子様
『せめて、季乃が本当の恋でもしてくれたら変わるのでしょうが…今はまだ外見と地位しか見ていないので…』

父親は娘にいい顔をするためには手段を選ばないものなんだろうか。

"人は恋をすれば変われる"

前にケン兄さんがそう言っていたことがあった。

僕の場合も由依ちゃんと出会って確実に仕事への取り組み方が変わった。

ただの色ボケでは困るけど、宇梶さんがもし本当の恋が出来て、社会人として成長するようなら、この親子の関係も変われるかも知れない。

「すみません、先程の貴方の名刺を改めて頂戴してもよろしいでしょうか」
『はい、あ、いいですよ』

この社長は割りと腰が低い。
そして宇梶さんが去った後の僕への態度を見る限り、親子の関係は十分修復できると、僕は思った。

今日は土曜日。
明日は11時挙式の担当なので早めの出社。

日曜日はこういうことが多いから…という表向きな理由で、大体土日は由依ちゃんのアパートに泊まる。

そして僕と由依ちゃんの休みに絡めて火曜水曜と連泊することもある。

つまり週の半分は由依ちゃんの部屋で過ごすここ最近の僕。
< 193 / 439 >

この作品をシェア

pagetop