孤独女と王子様
1年半の"友達期間"の間に何度か飲みに行ったけど、顔は赤くなるが乱れたことは全くない。

僕と同じ量、いやそれより2、3杯は多いペースで飲んでも変わらない。
そんな体質の由依ちゃんが、へべれけになるわけがないんだ。

つまりは、酔ったフリをして僕がいることが分かっていながらわざわざ彼を自分のアパートに送らせたのか?

もし僕の予想が当たっているのなら…きっと由依ちゃんは僕と"仲良し"なところを見せつける素振りをするはずだ。

『ゴウぅ、お水ちょうだい』

由依ちゃんが起き上がろうとしたので、僕があわてて寝かせた。

「僕が持ってくるから、そのまま待っててね」

僕がコップにミネラルウォーターを注いでストローをさして由依ちゃんのところに持って行くと、横になったまま一気に飲み干した。

『あ、美味しい。ありがとう』

そう言うと、由依ちゃんは僕に背中を向けて、寝息を立て始めた。

『…すごく慕っているんですね、貴方のこと』

由依ちゃんの背中を見ながら、彼は言う。
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