孤独女と王子様
「ここまでになるまで、時間がかかりました」

と、由依ちゃんと僕の付き合う経緯や期間のことを、柳井くんに話した。

『人を信用しなくなったのは、僕のせいもあるんでしょうね』
「全部、由依から聞いてますよ」

彼は、由依ちゃんをゲームの道具にした。

『"若気の至り"と言えば聞こえがいいかも知れません。ですが、取り返しのつかない心の傷を負わせてしまった罪に気がついた時には、そばに神戸はいませんでした』

そう話す彼からは、誠実なオーラしか感じない。

『神戸の心を掴んで、体の関係に持ち込んで証拠の写メが撮れれば僕の勝ち。そんなゲームでした』

この話、僕は冷静に聞いていられるのだろうか。
でも聞かないと、きっと由依ちゃんの心の傷や闇は解決しない。

きっと由依ちゃんは寝たフリをしているだけで、彼の言葉は全部聞いているはずだから。

『性格が大人しく、地味な印象の神戸を"女"にしようと言う興味本位とイタズラ心だったのです』

そう言って彼は項垂れた。
< 234 / 439 >

この作品をシェア

pagetop