孤独女と王子様
『ゲームをやろうと友人たちと決まって神戸の疑似彼氏になることに、あえて僕が立候補しました。なぜなら・・・神戸が周りからどんな評価であろうとも、僕は神戸が・・・好きでしたから』

そんな数年越しの告白を、由依ちゃんはどんな思いで聞いているのだろう。

『だから、他の男にその役割を譲るのが嫌だった』
「だったら、何でそのゲームをやろうと提案した友人たちを止めようとしなかったんだ?」

たまらず、僕は彼に聞く。

『僕が弱虫だったんです。友人たちに嫌われたくなくて、勇気を出すことができなくて・・・それが神戸の心を傷つけたことに対する言い訳になんてならないことは分かっているのに』

少し頭を上げて由依ちゃんの背中を見た彼。

『ですから、児玉が自分の親父を通じて学校に告発したと聞いた時、むしろホッとした自分がいました。これで少しは神戸への罪を償えると。でも、神戸の心にはもちろん僕はいない。彼女は逃げるように東京に行ってしまいましたし、僕は大学受験に失敗して浪人することになりました』
「当然の報いだろう」

僕は言葉を選ぶことができず、はっきり言い放った。
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