孤独女と王子様
『今、パパは手が離せないから、ママが戻ってきたらやってもらいなさい』
『ママはぁ?』
『今ばぁばのキッチンで料理作っているから、もうすぐ戻ってくるよ』
『ヤダ、いまやって!』
『わがまま言わないの!ゆぃちゃんも見てるでしょ』

どうやら健吾さんは鶏の唐揚げを揚げているみたい。
油を使っているから離れられないのか。

見かねて私が名乗り出た。

「あの・・・マリちゃんの髪、私が結んであげましょうか?」
『ごめんね、神戸さん。うちのワガママちゃんのために』
「いいんですよ」

私は、マリちゃんのリクエスト通り、髪を2つに結んであげた。

マリちゃんは鏡を見て満足そう。
私もそれを見て満足。

『さ、揚がったよ。マリ、綺麗に結んでもらったね。パパやママより上手く出来てるよ』
「初めて褒められました。子供の髪って柔らかいですね」
『だからやりにくいんだけどね』
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