孤独女と王子様
『そろそろ戻ってくるかな、って思ってたのよ』

おにぎり、卵焼き、唐揚げ、ウインナー・・・
どれも美味しかった。

「私、お母さんのお弁当食べたの初めてかも」
『あら、そうだっけ?』
「いいな、啓慈くんは。これからはお母さんのお弁当作って貰えるんだ。お姉ちゃんは全然作ってくれなかったから羨ましいよ」

私の言葉に、ニコニコ笑顔を見せる啓慈くん。

『ねぇお母さん、さっきね、お姉ちゃんと剛兄ちゃんが僕のお父さんとお母さんに間違えられたんだ』

それを聞いて2人は大笑い。

『由依はまだ子供産んだことがないのにね』
『でも仕方ないよ。啓慈と由依は姉弟だし、剛と由依は夫婦だから、ニアピンではあるよね』

―そして午後は選手交代。

お父さんお母さんが啓慈くんを連れて浅めのプールでボール遊び。
私たちがプールサイドで留守番となった。

『由依ちゃん、見られてる』
「何が?」
『周りにだよ』
< 365 / 439 >

この作品をシェア

pagetop