孤独女と王子様
私は"お母さん"って言ったけど、私にとってその人は"おばあちゃん"だよね。
けどこの際、会ったこともないからどうでもいい。

『まだ生きてるよ。でも、親父が体調崩した3年前から屋敷に住むことがなくなって、自分の本家の離れで優雅に暮らしているみたい。俺も会ってないから話にしか聞かないけどさ』

お父さんが一瞬切ない顔をしたけど、すぐに顔つきが柔らかくなった。

『だから俺、家族というものを知らずに育って、学校の周りの友達を見て、強烈な憧れがあったんだ。それを叶えるべく、剛や、健吾のことをよく外へ連れ出したけど、結局それも血の繋がりがあるわけではないし、疑似家族そのものだった。けど、今日のこの5人は、紛れもなく"家族"だ』
『僕も、入っていいの?』

剛さんが聞いてきた。
剛さんは、お父さんに対して敬語だったりそうじゃなかったりで、イマイチはっきりしない。
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