孤独女と王子様
由依ちゃんがお手洗いから出てきて、しばらく経つと、検査薬のスティックにはくっきりと線が映り、陽性を示していた。

『やっぱり…ごめんなさい、剛さん』

由依ちゃんが突然僕に謝ってきた。

「どうしたの?」
『披露パーティーの直前に、こんな…』
「パーティーなんて関係ないよ。僕達は夫婦なんだ」

不安そうな目で僕を見る由依ちゃんに、僕は出来る限り落ち着いて話していたつもりだ。

『でも、1200人も集まるのに、私がこんな体になっちゃって』
「こんな体って、由依ちゃん、自分の体の変化を分かっていたのにしばらく1人で抱えていたんだろ」
『…』

返事のない由依ちゃん。
僕は肯定していると理解した。

「由依ちゃん、僕ってそんなに頼りないか?」
『…』

俯いた由依ちゃん。

「なかなか"妊娠しているかも"って言い出せないくらい、頼りない旦那なのか?」
『そんなわけじゃ、ないけど…』

弱々しい声で由依ちゃんは僕に反論した。
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