孤独女と王子様
「では、妻が倒れた理由も、産婦人科で伺った方がいいですか?」
『いや、それはここで今大体のことは分かる。先程血液検査の結果が出た』

先生は結果の書いてある紙を見ている。

『倒れた理由は、極度の貧血だ。ちゃんと食べているのかな』
「食べている、と思うのですが」
『白血球の数値の高さと、目の下のクマを見ると、睡眠不足も推測できるね』
「そんな・・・」

ここのところの由依ちゃんは、僕が後から帰ってくると"私はもう済ませたから"と、僕の夕飯だけを用意して、僕の食べているところを向かい側で見ているパターンが多かった。

ところがそれは由依ちゃんが食欲がないのを僕に隠すための嘘だったということなのか。

夜、ベッドで愛し合った後、僕は就寝し、由依ちゃんは眠れていなかったってこと?

今週は、由依ちゃんが土日にイベントがなく、水曜日は勤務だった。
僕は火曜水曜休みで土日は出勤。

完全にすれ違いとなっていた。
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