孤独女と王子様
個室に向かった足を引き返し、一旦外に出て電話を掛けてから、由依ちゃんの眠るベッドの横の椅子に腰かけた。

顔色は少し良くなったかな。

毎日見ていたけど、もしかしたら、由依ちゃんは僕が起きるまでの間にメイクで目の下のクマを隠していたのだろう。

今はメイクも落ちてクマがはっきり僕にも分かる。

僕は恐らく伝わらないであろう由依ちゃんの寝顔を見ながら、

『ごめん、やっぱり頼りない僕で、ごめん』

と、呟いた。
そして、溢れる感情に耐え切れず僕の目からは涙が零れた。

結果的に由依ちゃんを守り切れず、体調の異変に気付けなかった悔しさでいっぱいだった。

ベッドに両肘をついて、項垂れた僕の腕を、弱い力で掴む手があった。

『剛さん、来てくれたの?』
「由依ちゃん?」

項垂れていた頭を上げて、由依ちゃんを見つめる僕。

『泣かないで剛さん。今の私には、剛さんの涙を受け止め切れないから・・・』
「由依ぃ・・・」

由依ちゃんの弱々しくも優しい声に、情けなくも僕は泣き続けた。
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