孤独女と王子様
「夫婦の一大行事に、仕事で邪魔されたくない」
『でも無理はしないでね。これから稼いでもらわないとならないんだから』
「大丈夫だよ。でも仕事で忙殺されて、家族に見向きもしなくなる男には絶対にならないから」

そう言うと、僕は、由依ちゃんの唇にキスをした。

「由依ちゃんを愛する僕も、どんなことがあったって継続だから」

―――――

翌日。
朝一番で由依ちゃんは産婦人科の診察を受けた。

昨夜既に血液検査を済ませていたので、時間は短縮できたらしい。

診断は、妊娠3ヶ月。
10週目に突入していた。

出産予定は来年4月中旬。
随分先だなぁ、と思ってしまったのは、由依ちゃんも一緒だったみたい。

エコーにも赤ちゃんが映っており、写真を貰えた。
けど、まだ豆粒程度で、実感がない。

家に帰って、由依ちゃんをソファーに座らせた。

「仕事、どうするの?」

体調が優れない様子の由依ちゃんを無理させられないとは思ったけど、
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