孤独女と王子様
『8ヶ月までは続けるつもり。その後は産休育休を取る』
「由依ちゃんらしいね。でも無理しちゃだめだから、ちゃんと鉄剤飲んでね」
『はぁい』

病院で紹介された鉄剤を飲んで、由依ちゃんは乗り切ろうとしている。
既に"母は強し"なのだろうか。

『パーティーのドレス、ちょっとサイズ直してもらった方がいいのかな』
「それをタエコさんに言うと母さんに筒抜けだよね」
『いいじゃない。別に里絵子さんに伝えたって』
「まぁ、あの人は仕事の鬼だからね。でも毎日のようにプレゼントが贈られてくるかもよ」

母さんならやりかねない。
思いついたものを片っ端から買って送りつけそうだ。

この家いっぱいになるくらいの宅配便が届くんじゃないかと、今から覚悟しておこう。

「由依ちゃん、やっぱり、パーティーとは別に、式を挙げないか?」

入籍した時、由依ちゃんは結婚式も新婚旅行もやらなくていいと言った。

僕も初めはそう思っていた。
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