孤独女と王子様
お母さんがその場で立ち上がった。

『妻の律子です』

お母さんはその場で一礼した。
"妻が紹介される"ことは、今回のパーティーの主旨の1つなので、会場の驚きはない。

しかし、その経緯と、その後のお父さんの告白により、またざわつくことになる。

それは、お母さんを"愛人"として、啓慈くんという子供がいること。
小林さんと一緒にいた啓慈くんが壇上に上がる。

次に、あの時に生まれた子供が私で、その結婚した相手が、あの成瀬川家の三男であるということ。

私達も立ち上がり、一礼をした。

『ここにいるのは、私が長い間待ち望んでいた夢が叶った"家族"です。地位や名声を手に入れるために、御子息、御令嬢の結婚相手を利用することをもしこの会場の中でお考えの方がいらっしゃれば、直ちに改めていただきたい。そんなものは、不幸しか生まない。この私が身を持って分かったことです。これからはこの家族に誇りを持って、そして妻と子供・・・そして、来年春には家族がさらに増えるので、守って行きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします』
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