孤独女と王子様
『どこがいいかな・・・』

しばらく考えていた剛さん。

『スラジェにしたいところだけど、まだ時間が早いんだよなぁ』

と言いながら、車を道路脇に停車させて、電話を掛け始めた。

"大丈夫そう?じゃぁ、今から行きます"と剛さんは伝えていた。

『由依ちゃん、行こう。僕は車だから、お酒飲めないけど』
「私も、足が痛くなっちゃいそうなんでお酒はやめておきます」
『あそこ、バーなんだけど、ふたりでお酒飲まないってなるとマスターに怒られそうだ』

"アハハハ"と笑った剛さん。

「なら、私が飲みますか?」
『いいよいいよ。ごはんだけでも平気だよ、あそこは』

車はわかば堂書店本店を通り過ぎ、スラジェ近くのパーキングに停めた。

お店に入ると、カレーのいい匂いがした。

『2人とも、待っていたよ』
『マスター、お腹空いた』
『チキンカレーが今出来たところだから』
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