ワードとエクセル、それから女子力
 「新しい職場ね…可もなく不可もなくってとこかな。仕事は単純だし。だってさぁ、聞いてよ。顔合わせの時はピボットテーブルがどうとかマクロがどうとか言ってたのにさぁ、実際の業務では関数すら滅多に使わないの!フォーマットががっちり出来上がってて、数字埋めてくだけ!それにさ、社員の高崎って女がさ…」
 「じゃ、なくて」
 「…え?」
 「いい男。いた?」
 「…は?」
 「その様子じゃ、いないみたいね」
 優里は途端に興味を失ったかのようにカウンターに向き直り、皿の上のオリーブをつまむ。なので私は、口から出かかっていた(というか既にちょっと漏れていた)職場への愚痴を飲み込む。
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