今宵も、月と踊る
(もう……素直じゃないんだから……)
手を伸ばして頭をよしよしと撫でてやる。黒髪は汗でしっとりと濡れて、細い毛先が指に絡まってくすぐったかった。
「見放さないよ」
「子供扱いするな」
「子供なんて思ってないよ」
むしろ子供に見えなくて困っているくらいだ。この場に居るのは、若々しい魅力に溢れたひとりの男。手ずから嵌めた足枷にうっとり見惚れ、跪いて頬ずりをする歪んだ男。
……異常な束縛を喜んでいる私もきっと頭がおかしいんだ。
私は目の前に立つ志信くんの浴衣の襟を掴んで強引に顔を引き寄せた。
「子供にはこんなことしないわ」
そう言って自分からそっと唇を重ねる。
離れに閉じ込めようとするなら、少しくらい代償を払ってもらっても構わないでしょう?
「小……夜……」
初めての出来事に放心していた志信くんが低く唸って、即座に反撃の体制に移る。
逃げられないように頭に手を添えられ、何度も何度も繰り返し求められると、次第に苦しくなってきてたまらず喘いだ。