恋宿~イケメン支配人に恋して~
「……ん……」
ふと目を覚ますと、目の前の窓にはカーテン越しに明るい空の色が広がる。
今、なんじ……。
寝ぼけた頭で壁にかけられた時計を見れば、時計の短針は10を指していた。
10時……10時!?まずい、寝坊!!
サーッと引いた血の気に思わず毛布を投げて飛び起きる。……が、そういえば今日の仕事はチェックイン準備からだから、仕事は13時からだったことを思い出す。
「よかった……寝坊じゃないや」
ふぅ、とこぼれる安堵の溜息に、今の一瞬で一気に覚めた目で辺りを見渡し、ふと気付いた。
自分が、自分の部屋に寝ていること。
……いや、間違いではないんだけど。それでいいんだけど。いつの間に戻ってきたんだろう。
昨日は確か、千冬さんの部屋で……千冬さんと、キスをして。
『キス』、その一言に思い出されるのは昨夜の彼の熱い瞳。
彼の甘いキスがあまりにも気持ちよくて、酔いと眠気もあって……そこで記憶がないところから、きっと寝てしまったんだと思う。
……ってことは、運んでくれたのかな。
彼のキスを思い出し、自分の唇にそっと触れる。
……千冬さんとの、キス。
優しく、しっかりとしたキス。思い出すと、ドキ、とまた心臓が音を立てた。
って、今日どんな顔して会えばいいんだろう。
普通の顔?無愛想に?でも下手に無愛想にしすぎると逆に意識してると思われる?
でも絶対顔赤くなっちゃいそうだ……!
うわぁぁと頭を抱え、また布団に潜り込む。