カメラマンと山小屋はよく似合う
− 思わぬ人 −
「うわ、高東さん何これすごい!」
「何って、普通に朝飯だろ」
「朝めしっていうか……ブレックファースト?」
「がちがちのカタカナ英語だな」
おばあちゃん家に戻りお風呂に入ってきた私を待っていたのは、所謂ワンプレート朝食ってやつで。スクランブルエッグとベーコンと、サラダとクロワッサンが二つ。それから別々の小皿に分けられたわかめスープとヨーグルト。それら全てが、白くて四角い大きなお皿にまとめられていた。
「つーか山小屋とロッジの件もそうだけど、何でも英語にしたがるよな、あんた」
「えー。そういうつもりはないんですけど、やっぱりどっちがピンとくるかって問題じゃないですか?」
「あっそ」
「ちょっと! 自分から聞いておいて流すのやめてくださいよ!」
「分かった分かった。で、コーヒーに砂糖とミルクは?」
「……一つずつでお願いします」
「あいよ」
この人、だんだん私の扱いが上手くなってきたなと自分で思う。高東さんが二人分のマグカップを置いて席に座ったのを確認して、両手を合わせた。
「いただきます」
「はいドーゾ」
ぱくり。フォークで一掬い口に含んだスクランブルエッグは、
「……美味しい。けど、普通?」
「だろうな。味付けは塩コショウだけだから」
「こ、この見た目で……」
決して非難しているわけではないのだけど、隠し味とか入っているのかと思っていたから軽く拍子抜けで。それは彼も分かっているのだろう。黙々とサラダを胃袋に収めながら口を開く。
「まあ、見た目にこだわっちまうのは職業柄だ」
「食べ物も撮ったりするんですか?」
「雑誌の弁当特集なんかも撮るし、そもそも売れるまでは基本的に何でも撮るな」
「なるほど」
「何って、普通に朝飯だろ」
「朝めしっていうか……ブレックファースト?」
「がちがちのカタカナ英語だな」
おばあちゃん家に戻りお風呂に入ってきた私を待っていたのは、所謂ワンプレート朝食ってやつで。スクランブルエッグとベーコンと、サラダとクロワッサンが二つ。それから別々の小皿に分けられたわかめスープとヨーグルト。それら全てが、白くて四角い大きなお皿にまとめられていた。
「つーか山小屋とロッジの件もそうだけど、何でも英語にしたがるよな、あんた」
「えー。そういうつもりはないんですけど、やっぱりどっちがピンとくるかって問題じゃないですか?」
「あっそ」
「ちょっと! 自分から聞いておいて流すのやめてくださいよ!」
「分かった分かった。で、コーヒーに砂糖とミルクは?」
「……一つずつでお願いします」
「あいよ」
この人、だんだん私の扱いが上手くなってきたなと自分で思う。高東さんが二人分のマグカップを置いて席に座ったのを確認して、両手を合わせた。
「いただきます」
「はいドーゾ」
ぱくり。フォークで一掬い口に含んだスクランブルエッグは、
「……美味しい。けど、普通?」
「だろうな。味付けは塩コショウだけだから」
「こ、この見た目で……」
決して非難しているわけではないのだけど、隠し味とか入っているのかと思っていたから軽く拍子抜けで。それは彼も分かっているのだろう。黙々とサラダを胃袋に収めながら口を開く。
「まあ、見た目にこだわっちまうのは職業柄だ」
「食べ物も撮ったりするんですか?」
「雑誌の弁当特集なんかも撮るし、そもそも売れるまでは基本的に何でも撮るな」
「なるほど」