【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?





「拓磨が不良になったのはそれだけじゃない。拓磨が当時友達だって思ってたヤツに自分が母親に裏切られたことを冗談まじりに話したあと……みんなにそのウワサが広まって、拓磨を避け始めたんだ」


多田くんの話に私の胸は締め付けられるように痛くて……。
言葉にできないほど、苦しかった。



「みんな、拓磨はかわいそうな子だって。拓磨には家族の話はしたらダメだって気をつかって、だんだんみんな拓磨から遠ざかっていった。でも、それが逆にアイツを傷つけたんだ」



拓磨くんは……今までどれほどの傷を負ってきたんだろう。
私はそんなこと知らずに……。


『子どもの頃の拓磨くんはきっと可愛かったんだろうなぁって思って』


『なんで』


『リンゴ食べてるときの拓磨くんが子どもみたいに嬉しそうだったから』


『……そっか。どうだったんだろうね』



あのとき、私は拓磨くんをすごく傷つけた。
今になって自分の罪の大きさに気づく。



あぁ、私サイテーだ……。
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