【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?
「拓磨はそれから人と関わることを避けてたんだ」
「そう、なんだ」
だから、人を好きになるのが怖いって言ってたんだ……。
また自分が誰かを好きになっても、母親のように裏切るんじゃないかって、そう思ってるんだ。
「でもね、美憂ちゃんと出会って拓磨は変わったんだ。ようやくまた人を信用しようとしてる」
「拓磨くんは私を……?」
「うん。拓磨は美憂ちゃんを信用してるんだと思う。でも、自分の過去を聞いてきた美憂ちゃんが、自分から離れていくんじゃないかって怖がってるんだと思う」
そんなの……あるワケないじゃん。
私は逆にずっと拓磨くんと一緒にいたいもん。
それぐらい拓磨くんのことが好き。
「だからこれからも……アイツのそばにいてあげて」
多田くんの言葉に胸が熱くなって、不意に涙が零れ落ちた。
「うん……っ」
涙を拭いながら、私は大きく首を縦に振った。