【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?
「もう、美憂ちゃんってば泣くなよ~俺が泣かせたみたいじゃん?」
多田くんがあはは、と笑いながら、私の背中をさする。
「ご、ごめん……っ」
「拓磨も幸せだなぁ、こんなに想ってくれる子がいて」
「でもね、私、本当は拓磨くんじゃなくて、星司くんに告白しようとしてたの」
「……えぇー!!?星司って、矢野星司!?」
大きく目を見開いて、すごいリアクションをする。
「うん、本当は星司くんに渡そうと思ってたラブレターを、拓磨くんに拾われちゃって、カン違いされて……。で、拓磨くんが怖くてそのまま付き合っちゃったっていうか」
「う、ウソ……まぁ確かに、最初2人と屋上で会ったとき、美憂ちゃんめちゃくちゃビビってるなぁとは思ったけどさ!!」
「でも今は違うよ!拓磨くんの優しさに触れていくうちに、気付いたら拓磨くんのことを大好きになってた」
これはイツワリのない、本当の気持ち。
胸を張って言える。
「だから……拓磨くんにもう一度、ラブレターを渡したいの」
「美憂ちゃん……」
「私、これからもずっと拓磨くんといたい」
私の言葉に多田くんは嬉しそうに笑った。