☆生徒会長と幽霊☆



「おい、幽霊。入れるから、言え」

『本当!?じゃあ、オレンジキャンディー!』


オレンジキャンディー、hello娘って言う、アイドルグループの曲で、高校へ通ってる時はiPodでいつも聞いてた。


「なんだ、そのふざけた名前は」

『曲名だよ!今をトキメクアイドルの歌なのに!知らないなんて、人生損してる!』

「人生?大袈裟な奴め、ほら入れたぞ」

ーピッ


器械音と共に予約完了の文字が画面に映る。
良正君はマイクを持った。


「持ってるから、勝手に歌え」

『うんっ!ありがとう、良正君!』


私はマイクを持つ良正君の手に自分の手を重ねる。
詳しく言えば、添えると言ったほうが正しいけど。


『キャンディー、キャンディー♪』

「…………………」


久しぶり!!
あぁ、思いっきり歌うのって、気持ちいいなぁ!


『恋する私はオレンジ、キャンディー♪』


歌い終わると、私はふぅっ、と息を吐いてマイクから手を離す。自信満々に良正君の顔をのぞき込むと、良正君は眉間に皺を寄せてため息をついた。


『で、どうだった!?』

「なんだ、このふざけた歌は!?」


良正君らしくない大声だった。
ピキピキッと血管が、切れるような音が聞こえた気がした。


「耳障りだ、気持ち悪い!なんだ、恋はオレンジ~って!貴様、そんなふざけた言葉をよく口に出来るな!」

『そ、そんなに………?』


良正君、そんなに鳥肌立てなくても(笑)
怒るの通り越して、笑えてきた。

こんな、良正君も新鮮で好きかも。


『あ、いや!そういう好きではなくて!!』

「は?何を言ってるんだ、お前は」


って!私は誰に弁解してるんだ!!
別に、特別な意味なんて無い!















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