On Your Mark
ソラを飛べるところまで連れて行く、これが今の僕たちの目的であり、動き続ける意味だ。

それが終わってから、いくらでも愚痴は言う。

しかし、今だけはこのことだけに力を注ぎ込まなければいけない。


「ユーシチールはどうやらソラの存在には気付いていないみたいだね」


「だけども、国境を越えた俺たちがペスチニアということは分かっているみたいだ。

おうおう、敵対心がびりびり伝わってくるぜ」


「止まらずに突っ走るしかない・・・か」


北から迫ってきたユーシチール軍。



西から迫ってきたペスチニア軍。



ユーシチール国の領域に入る前に動いていた二つの軍隊は、恐らく今頃は衝突しているだろう。

何人もの兵士が命を失っていくに違いない。


「みんな・・・ごめん」


僕たちが動きださなければ衝突しなかった。

そんなことを思って、小さく呟く。

それでも、僕たちは前を進むしかなかった。
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