On Your Mark
昼になり掛けた時間に、とうとうジープの燃料が尽きた。

僕たちは立ち止り、昨日の就寝前に話し合ったことを行動に移す。

できるだけ最小限に分担した荷物をそれぞれが持ち、あとはソラがどれほど歩けるのかが問題だった。



移動中に寝ていることが多く、体力はまだ回復をしていないからそんなに多くの時間は歩けない。



それがイビルの見解だった。



そこから僕たちは二つの手段を導き出した。


燃料が無くなった付近で、ジープなどを見つけ出してから移動する


ソラが歩けなくなったら、誰かが背負ってジープを探しながら移動する


導き出したとはいっても、僕たちのなかでは答えは決まっているようなものだった。


「少しだけ頑張って歩いてくれるかい」


イビルが優しく手を差し伸べて、ソラはそれを掴み立ち上がる。

一歩踏み出すまでを僕とレイは緊張した面持ちで見守り、歩き出したと同時に安心の溜息が洩れた。
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