心の裏側と素肌の境界線を越える為に
「な!」

いきなり、一曲歌えだと。

それも、人前で。

「む、無理に決まっているだろ!」

「もう決めた!」

きっぱりと言い切る美佳。

「か、勝手に、決めるな!」

キレる俺に、美佳は目を細め、

「こうでもしないと、お前は一生…音楽をやらないだろ」


「そ、それは…」

俺は口ごもった。

美佳がドラムを始めたのは、自分のせいだとわかっていたから、

少し後ろめたい気持ちがあったからだ。


そんな俺の動揺に気付いた美佳は、心の中でにやりと笑うと、

「とにかく決まったからな!」

いつのまに作っていたのか…ライブのチラシを見せた。

参加メンバーには、なんと俺の名前が…あった。
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