心の裏側と素肌の境界線を越える為に
「…ありがとう」
あまりにスムーズな展開に、俺は逆に照れてしまった。
片桐は俺を見つめながら、
「ところで…線はどっちなの?あたしは八瀬方面だけど…」
定期を通した。
「お、俺は…」
ここで、定期を通そうとして…動きが止まった。
定期が切れていたのだ。
明日買う予定で、
今日は自転車で、時間をかけてきたことに…。
改札の向こうで待つ片桐に、
俺は情けない顔を向けた。
別に自転車を置いて、電車で帰ってもいいのだけど…、
今日は、持ち合わせもなかったのだ。
ほぼ無一文の俺は、頭をかきながら、
片桐に顔を向け、
「ご、ごめん…。いっしょに帰るのは、明日で」
あまりにスムーズな展開に、俺は逆に照れてしまった。
片桐は俺を見つめながら、
「ところで…線はどっちなの?あたしは八瀬方面だけど…」
定期を通した。
「お、俺は…」
ここで、定期を通そうとして…動きが止まった。
定期が切れていたのだ。
明日買う予定で、
今日は自転車で、時間をかけてきたことに…。
改札の向こうで待つ片桐に、
俺は情けない顔を向けた。
別に自転車を置いて、電車で帰ってもいいのだけど…、
今日は、持ち合わせもなかったのだ。
ほぼ無一文の俺は、頭をかきながら、
片桐に顔を向け、
「ご、ごめん…。いっしょに帰るのは、明日で」