心の裏側と素肌の境界線を越える為に
「どうしょうかな」

俺は自転車を走らせながら、悩んでいた。


去年までは、雨の日以外は自転車通学していた。

時間はかかったけど、お金はかからない。


それに…


国道のそばに、彼女だった人の働く店があったからだ。


その店を避け、さらに心臓破りの坂を避ける道もあったが、

国道を外れ、さらに二十分くらい遠回りをすることになる。

行きは坂も下りだし、店もやっていない。


二十分前なら、まだ準備中だから、会うことはない。

遠回りをすることも考えたが、国道を外れたら…ほとんど街灯がない。

真っ暗な道をひたすら走るだけである。

それに…。


これが一番だが、


なんか…逃げてる気がして嫌だった。
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