婚約者は突然に~政略結婚までにしたい5つのこと~
「ちょっと待ってよ!じゃあ、一族でも何の権力もない我が家だけど、たまたまいた年頃の女ってだけで、私は政略結婚の犠牲にならなきゃいけないってこと?!」

冗談じゃない、大した恩恵もないのに、犠牲だけ払うなんてとんでもない話だ。

「言うじゃないか、All for one,One for Allって。君は一族を担う、立派なお役目を果たすんだ。犠牲なんて思っちゃいけないな」

「スクールウォーズかよ」思わず突っ込んでしまう。

「それに、君は俺との結婚を了承せざる得なくなる」

葛城はニヤリと笑みを浮かべる。

「どうゆうこと?」私は訝し視線を向ける。

「詳しい事は俺からは言えない。帰ってご両親に家庭の事情を聞いてごらん」

「もったいぶってないで、教えてよ」

「個人情報だから。俺が勝手に話す訳にはいかないんだ。悪しからず」

葛城は例の「絶対的な笑顔」を向ける。

きっと事情は知っていても今ここで話す気はないのだろう。本当に嫌な男だ。

私は何も言い返せずに眉を顰める。

葛城はその様子を見て、おかしそうにクスクス笑う。

「何も今すぐ結婚する訳じゃない。君が大学を卒業するまでは待つつもりだよ」

「それまでは、自由でいられるって事?」

葛城はゆっくりと大きく頷いた。

「但し、純潔はきちんと守ってね」さっき言った事はどうやら本気らしい。

「どうして現時点で私が純潔だって決めつけるのよ」

女として魅力がない、と言われているようで少し面白くない。そして悔しいことに純潔であることは否めない。

「だって全く色気ないから」優しい顔して意外と葛城も失礼だ。

私が今にも噛みつきそうな顔をしていると「うどんが伸びる。さっさと食べよう」と言って葛城は話題をそらした。


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