婚約者は突然に~政略結婚までにしたい5つのこと~
「本っとあり得ないっす!あの自己中男!」

私はワイングラスを乱暴にテーブルへ置いた。

「あらぁ、遥ちゃん、結構イケる口なのねー」と、言いながら沙織さんはドクドクとグラスに赤ワインを継ぎ足した。

「まさか、ツチノコ妹に彼氏どころか婚約者がいたとはなぁ。ツチノコ姉としては複雑な気分だろう?新島」
藤原氏は憐れんだ視線を尋英さんへ向けた。

「はい、正直複雑な気分です… 」尋英さんはガックリと項垂れる。

昼間、葛城とのやりとりを沙織さんはバッチリ見ていたようで仕事上がりに、飲み行こうと誘われた。

気を使ってくれた半分、野次馬根性半分といったところだろう。尋英さんにも声を掛けたら、何故か藤原オーナーも着いて来た。

そうして、SAKUのメンバー四人で藤原氏行きつけのバーで飲む事となった。

私を除く4人はお酒が強いらしく、既にテーブルの上には空になったワインボトルが何本か並べられていた。

私はアルコールによって饒舌になり、我が家に借金があることから葛城との婚約の話まで包み隠さずベラベラと話てしまった。

さすがに、葛城商事や四葉銀行の具体的な企業名は伏せたけど。
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