婚約者は突然に~政略結婚までにしたい5つのこと~
顔に光が降り注ぎ、私は眩しくて目を覚ました。

「う…ん」

高い天井からアンティーク調のシャンデリアがぶら下がっているのが目に映る。

「あ、あれ?」見慣れない景色に私は慌てて上半身を起こす。

辺りを見回すと、真っ白な壁に囲まれた広々とした部屋だった。

眠っていたベッドもフカフカしていて三人は眠れそうなクィーンサイズだ。サイドテーブルには薔薇の花が飾られていた。

大きな窓には、白いレースのカーテンが掛けられており、その窓辺には瀟洒な長椅子が置かれている。

ここは、一体どこ?ホテル?

昨日の記憶を必死に手繰り寄せる。

SAKUの人達と飲みに行って、羽目を外して潰れたら、葛城さんが迎えにきて…其処まで思い出すとこめかみがズキズキ痛んだ。

その時、部屋のドアがガチャリと開く。

「起きたのか。酔っぱらい」

「葛城さん」

水さしとグラスを乗せたトレイを持って部屋にヅカヅカ入ってきた。

サイドテーブルにトレイを置くと、ベッドに腰掛ける。

今日はグレーのパーカーに黒のコットンパンツを合わせてカジュアルなスタイルだ。

いつもわけている髪を下ろしているので随分幼く見える。制服を着たら高校生でも通用しそうだ。

「あの、ここはどこでしょうか?」

「俺のうち」

「ど、どーして私が葛城さんの家にいるんでしょうか」私がおずおずと尋ねると、葛城は不機嫌そうにスッと目を細めた。

「覚えてないの?」いつもの微笑みを見せない所が恐ろしい。
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