初恋 二度目の恋…最後の恋
 ジュースを飲みながら思うのはやっぱりお祖母ちゃんの事。


 お祖母ちゃんの身体の調子は一向に良くならない。元々、覚悟はするようにと言われていたけど、やっぱり覚悟なんか出来なくて…。暑さがお祖母ちゃんの身体から力を奪い取っていくのではないかとさえ思うほど、病院に行く度に弱っていく。元々、ほっそりとした身体だったのに、この頃は一段と身体が小さくなってきたような気がする。


 早く暑さが落ち着く秋になって欲しい。そうしたら、少しはお祖母ちゃんも過ごしやすいだろう。早く早くと思うのに、一向に暑さは弱まらない。弱っていくお祖母ちゃんを見ながら辛いと思うのに、少しでも会いたいと思うし、一分でも一秒でも時間は無駄に出来ないとも思う。


 私は時間が許す限り病院に通っていた。お祖母ちゃんは気分のいい時はベッドから起きて話すことも出来たけど、そんな日々が少しずつ少なくなってくる。細くなってしまった手を握りながら私は不安に包まれる。担当の先生も今度発作が起きれば保証は出来ないと言われていた。



 そんな現実を受け止められるほど私は強くなかった。


「そろそろ車動かすよ」


 お祖母ちゃんの事を思いながらジュースを飲んでいた私に届いた声に視線を向けると、さっき買ったスポーツ飲料で水分補給が終わってスッキリとした顔をした小林さんがいた。車のドリンクホルダーの中には空になったペットボトルが置いてある。


 一気飲みしたみたいだった。


「ねえ、美羽ちゃん。今日の取引先のリベンジ。頑張るから同行よろしく」


「もちろんです」


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