初恋 二度目の恋…最後の恋
「こちらこそ美羽がお世話になっております。今日は本当にありがとうございました」
母は小林さんに頭を下げると、また小林さんも頭を下げる。綺麗な洗練された物腰だった。そこには無邪気な小林さんは居なくて、どこまでも真摯で爽やかな小林さんの姿があった。小林さんはお母さんが来たことで安心したのか、ゆっくりと立ち上がると私の方を一瞬見つめ、頷くとお母さんの方を真っ直ぐ見てから頭を下げたのだった。
「では会社に戻りますので失礼します」
小林さんが行ってしまうと、お母さんは私の方を見て優しく微笑んだ。
「優しそうな人ね」
「うん。とっても優しいの。」
「研究所から本社に転属したと聞いたときには心配したけど、美羽と一緒にいる小林さんを見て安心したわ。さ、お祖母ちゃんが待っているから会いに行きましょう」
「うん」
葬儀場の奥に親族控室があり、そこにはお父さんが携帯電話を片手に何か書いていた。まだ、私と違ってお父さんは泣いている時間もないのだろう。電話の相手は父方の叔父のようだった。そんなお父さんを横目に見ながら、荷物を置いてから、私はお祖母ちゃんの寝ている場所に行く。
お祖母ちゃんは綺麗な布団に寝ていて、まるで眠っているようにしか見えない。その顔には柔和な笑顔が浮かんでいる。
「あんまり苦しまなかったみたいよ」
「え?」
「お医者様が言ってたの。最後はあまり苦しくなかったでしょうって」
母は小林さんに頭を下げると、また小林さんも頭を下げる。綺麗な洗練された物腰だった。そこには無邪気な小林さんは居なくて、どこまでも真摯で爽やかな小林さんの姿があった。小林さんはお母さんが来たことで安心したのか、ゆっくりと立ち上がると私の方を一瞬見つめ、頷くとお母さんの方を真っ直ぐ見てから頭を下げたのだった。
「では会社に戻りますので失礼します」
小林さんが行ってしまうと、お母さんは私の方を見て優しく微笑んだ。
「優しそうな人ね」
「うん。とっても優しいの。」
「研究所から本社に転属したと聞いたときには心配したけど、美羽と一緒にいる小林さんを見て安心したわ。さ、お祖母ちゃんが待っているから会いに行きましょう」
「うん」
葬儀場の奥に親族控室があり、そこにはお父さんが携帯電話を片手に何か書いていた。まだ、私と違ってお父さんは泣いている時間もないのだろう。電話の相手は父方の叔父のようだった。そんなお父さんを横目に見ながら、荷物を置いてから、私はお祖母ちゃんの寝ている場所に行く。
お祖母ちゃんは綺麗な布団に寝ていて、まるで眠っているようにしか見えない。その顔には柔和な笑顔が浮かんでいる。
「あんまり苦しまなかったみたいよ」
「え?」
「お医者様が言ってたの。最後はあまり苦しくなかったでしょうって」