初恋 二度目の恋…最後の恋
「仕事でってことですか?」


「仕事ってことだけでもいいし、美羽ちゃんが望むなら俺の妻として行ってもいい」


「妻??私が??」


「ああ。俺と結婚して一緒にフランスに行かないか?俺は結婚には全く興味がなかった。だけど、今回フランスの出張が決まった時に美羽ちゃんと一緒に行きたいと思った」


 いきなりの言葉に私は固まる。
 折戸さんが私と??妻ってことは結婚??

 
 頭の中が混乱するばかり。


「私。あの」


「答えは今じゃなくていい。前向きに考えて欲しい。俺は美羽ちゃんが好きだ」


「…ありがとうございます。でも…あの……。気付きませんでした」


「美羽ちゃんはこういうことを言うと逃げて行きそうだから言えなかった。でも、俺はフランスに連れて行きたいから、美羽ちゃんのペースに合わせることが出来ない」


 私の瞳を見つめる折戸さんはとても真摯な光を瞳に宿している。折戸さんの本気だと教えてくれる。


 折戸さんは素敵な人だと思う。


 ナチュラルブラウンのサラサラの髪に、端正な顔立ち、艶やかな雰囲気。逞しい体躯。そして、細やかな気配りに優しい性格。それを凌駕する知識と行動力。そんな人が私を好きになってくれるとは思わなかった。


『恋人居ない歴=実年齢』の私には思考回路がショートしそうだった。いや、もう半分仕掛けている。


「ありがとうございます。嬉しいです。でも、混乱していて」


 これが私の素直な気持ちだった。

< 218 / 303 >

この作品をシェア

pagetop