初恋　二度目の恋…最後の恋
「すみません」


「いいよ。また誘うし。でも、もうプレゼントも渡したし、オレンジジュースを止めて一緒に飲まない？俺ももう少し飲みたいから付き合ってよ」


　営業一課に来て私はお酒の美味しさを覚えてしまっていた。幹事の仕事が半分以上終わったから少しの緩みが私を包む。


「じゃ、少しだけ」


　そんな言葉と共に飲みだした私に小林さんは優しくて他愛無い話をしながらも楽しい時間が過ぎていく。折戸さんの送別会は正直なところどんなに悲しい思いをするのかと思っていたけど、傍に小林さんが居てくれてよかったと思った。


　泣いてしまいそうな送別会も…最後まで笑っていられてよかったと思わずにいられない。もしかしたらもう二度と折戸さんに会うことはないのかもしれないと思うとやっぱり気持ちは落ちこんでくる。私は営業一課に来てずっと折戸さんに甘えていたような気がする。


　ゆっくりと飲みながら私は折戸さんのことをずっと考えていた。どの思い出を引き出してみたとしても折戸さんは素敵で私には勿体ない人だと思う。



　そんな素敵な人からプロポーズされている私は…。


　折戸さんの送別会は和やかな雰囲気のままお開きとなった。お酒に酔った余韻はまだ続いていて、私の身体も地面から浮いていそうだ。小林さんと話していると楽しいのと、幹事がある程度終わった緊張の緩みから思ったよりも酔いが回っていた。


　でも、自分で歩けないとかのレベルではないので大丈夫。

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