初恋 二度目の恋…最後の恋
 もう一度、ベッドの中で携帯のメールを見たのだった。二人のメールに心配しないでも大丈夫というメールを返すと、私はまたベッドに横になった。毎回は困るけど、たまにこんな風に飲むのは本当にいいと思う。研究所にいた時には人と全くといっていいほど関わらなかった。


 今はその関わりが楽しくて仕方ない。もしかしたら研究所では私が周りに打ち解けないだけで、こんな風に関わりを持てたのかもしれない。そんなことを考えた。自分の見方が変わると…こんなにも違うのかもしれない。



 月曜日会社に行くと、みんな普通どおりに仕事をしている。いつもと変わらない風景がいいと思うのは私が幸せだからだと思う。この緊張が少し漲る空間が好きだと思う。


「おはようございます」


 そんな私の声におはようの挨拶が飛び交う。今日も忙しい一日の始まり。でも、仕事は楽しく頑張ろうと思える。まだまだ覚えることはいっぱいある。


 自分の席に座ると横から小林さんが心配げに私を見つめてくるのだった。


「大丈夫だった?」


「少し気持ち悪かったけど寝ていれば大丈夫でした。金曜日は送ってくれてありがとうございました」



「それはいいけど、もしかしたら、美羽ちゃんは吐いたの?」


「いえ。吐いたりはしませんでした。少しだけ胸がムカムカしたくらいです」


 
 スポーツドリンクを飲んですぐに寝たのが良かったのかもしれない。酔ったけど吐いたりはしなかった。

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