初恋 二度目の恋…最後の恋
優しさに
一日が飛ぶように過ぎていく。営業一課の同行にも慣れ、一日に何度も誰かの取引先に同行している。そんな中で少しずつ成果に結びついているのを見ると本当に嬉しい。
高見主任が新たに与えた目標に営業一課全員で向かっているという一体感が凄くて、自分に成績が課せられたわけでもないのに、私は毎日一喜一憂していた。仕事は順調で、毎日が楽しい。でも、その反面、折戸さんの事も静岡研究所のこともまだ自分の中で答えを出せないままだった。
でも、もう決めないといけない時間になっている。今週の土曜日は折戸さんの渡仏の日。その日までには必ず返事を出さないといけないのに、私の気持ちはまだ決まらない。仕事が終わって自分のマンションに戻ると毎日、折戸さんのことを考えていた。
折戸さんの事は『好き』なのに…その一歩が踏み出せない。必ず幸せになれると分かっているのに…なんでその一歩が出ないのだろう。そんな自分が分からない。
「美羽ちゃん。今日の夜、一緒に食事に行こう。何か用事ある?」
そして、どうしようかと迷い続けている私を折戸さんは食事に誘ってくれたのだった。
もちろん断る理由はなかったけど、メールとかではなくて営業室で誘われた。折戸さんは隠すつもりは全く無いようだった。横に座っている小林さんは何も言わずに折戸さんを見つめている。私の耳に届いたのは小さく息を吐く音だけだった。
「はい。特に用事はないです」
「じゃあ、決まりだね」
そう言って笑った折戸さんの顔は驚くほど綺麗な顔をしていた。
高見主任が新たに与えた目標に営業一課全員で向かっているという一体感が凄くて、自分に成績が課せられたわけでもないのに、私は毎日一喜一憂していた。仕事は順調で、毎日が楽しい。でも、その反面、折戸さんの事も静岡研究所のこともまだ自分の中で答えを出せないままだった。
でも、もう決めないといけない時間になっている。今週の土曜日は折戸さんの渡仏の日。その日までには必ず返事を出さないといけないのに、私の気持ちはまだ決まらない。仕事が終わって自分のマンションに戻ると毎日、折戸さんのことを考えていた。
折戸さんの事は『好き』なのに…その一歩が踏み出せない。必ず幸せになれると分かっているのに…なんでその一歩が出ないのだろう。そんな自分が分からない。
「美羽ちゃん。今日の夜、一緒に食事に行こう。何か用事ある?」
そして、どうしようかと迷い続けている私を折戸さんは食事に誘ってくれたのだった。
もちろん断る理由はなかったけど、メールとかではなくて営業室で誘われた。折戸さんは隠すつもりは全く無いようだった。横に座っている小林さんは何も言わずに折戸さんを見つめている。私の耳に届いたのは小さく息を吐く音だけだった。
「はい。特に用事はないです」
「じゃあ、決まりだね」
そう言って笑った折戸さんの顔は驚くほど綺麗な顔をしていた。