【企】恋する君に口づけを
ちょっとだけ期待してた。
だから、そのぶん自分自身を傷つけた。
「康太なんて……知らない」
康太はあたしのことなんて“幼なじみ”としてしか思ってなかったんだ。
それを思い知った。
あたしは棺桶の中から出て、そのままステージ脇に行く。
「ちょっと、愛莉!?」
その衣装のまま、ステージ脇の奥にあるドアを開いて体育館裏に出る。
うしろから、怜美ちゃんが追いかけてくるのがわかる。
「なにがあったの?」
校内は人で溢れかえってるのに、体育館裏はだれもいなくて、なんだか変な感じがする。
「キス、された…」
体育館裏にある花壇を囲むコンクリートの小さな段に腰を下ろす。
すると、隣に座った怜美ちゃんは『は!?』と大きな声をあげた。