クレームの女王
そして麗華の傍らに近づき
小さな声で麗華に言った。


「封筒の中には5万円入っています。
どうか、これでお引き取り願えませんでしょうか?」


5万円!


麗華は心の中で叫んでいたが
冷静な顔を崩さないよう無理をしていた。


実は笑いがこみあげて仕方がないのに
怖い顔をして先輩の店員をみた。


そういえば当事者の若い店員は
先輩が麗華の相手をしている間に

逃げ出したようだ。

何事もなかったかのように
知らん顔をしてまたレジに立っている。


「店員さん…とにかくバイトの教育は
ちゃんとしてしてよね」


麗華はまだ文句を言おうとしているが
さっきまでの勢いは全くない。
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