クレームの女王
思い切り大きな声で叫んだ麗華の声が
マンションの壁に跳ね返り


残響を残して響き渡る。


「すみません…すみません…」


気の弱そうな運転手は下を向いて
謝ってばかりいる。


麗華はふんぞり返って
運転手をさらに追い詰めていく。


「時間がかかってもいいじゃない!
安全なところに止めて配達したら済むことでしょ?


あんたの都合なんてどうでもいいの!


まったくあんたの会社はどうなってるのよ!
上司を呼びなさい!

今すぐここにあんたの上司を呼んで
どういうことか説明してもらいます!」


困り切った運転手は携帯を取り出して
自分の集配センターに電話をかけている。


まわりでは何が起きたのかと
住民たちが遠巻きに見つめている。



< 46 / 206 >

この作品をシェア

pagetop