クレームの女王
麗華は思い出したのだ。
お金をもらう切り札があることに。


麗華は余裕の表情を取り戻し
カバンの中からスマホを取り出した。


スマホを取り出した麗華を見て
謝罪の言葉を並びたてていた所長の表情が


一瞬固くなる。


「どうなされました奥様?スマホなんか取り出して…」


所長はそう言った。少し動揺しているらしく
やや表情が曇りがちになっていく。


そんな所長の表情をちらりと確認した麗華。


すこし笑いながらゆっくりとした口調で
口を開く。


「いや…このことをみんなに相談しようと思って。
私、わからなくなってきたんですよ。


だから、ネットで同じようにトラックが邪魔で
困っている人に相談しようと思って」


黙り込む所長。麗華はさらに言葉を続けていく。


「もちろん会社名も出さなきゃわかってくれないな。
そうだ。写真もつけよう。

この黄色いマークって有名だもんね。


同じ会社の車に困ってる人もいるだろうし…」

< 52 / 206 >

この作品をシェア

pagetop