クレームの女王
応接室に連れ去られていく途中
いろんな思いが頭の中を駆け巡る。

でも麗華の心は決まっていた。


確かに自分は棚を壊してしまった。
でも自分は悪くない。


だからこの怖そうな店長が
弁償を要求しても絶対に金を払うものか!


そもそもうちには弁償するお金なんて
これっぽっちもない!


スーパーの応接室の前についたとき
麗華の腹は座っていた。


徹底抗戦。


それしかない。


傍らに付き添う店長の姿をちらっと見た後
祐樹の手をぎゅっと握りしめる。


この子のためにも
絶対にこの店長に負けてなるものか!



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