クレームの女王
「あの……何だかよくわからない。
よくわからないからとりあえず家に帰ってもいいですか?」


麗華は顔を覆って泣きながら周りにいる看護師たちに訴えた。


沈痛な面持ちの看護師はうなずく。


「突然のことで気が動転されていることでしょう。
どうぞ家にお帰りになって落ち着かれてから


この後のことをお考えになってください」


看護師の優しい言葉に精いっぱいの笑顔を作ったレイナは
一礼をして


祐樹の手を引いて病院を後にした。
何だかまっすぐ歩けない。


空気が重く、息をするのも苦しい。
そう言えば周りの風景も歪んで見える。


「ママ、いたい」

祐樹が顔をしかめてそう言った。


祐樹の手を強く握りしめすぎていた麗華は
慌てて手を放す。


「ごめん…祐樹」

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