【完結】四ツ葉のクローバー。


いきなり名前を呼ばれて静かになる。


そして、翔太の目を見て話の続きを待つ。


「四ツ葉のクローバーの話、知ってる?」


秘密?んっと、それは……


「見つけたら幸せになれる、とか
持ってると幸せになる、みたいな事?」


って全部幸せ関連だけど、よく分からないかも。


「お前…幸せしか言ってないのな(笑)」


図星をつかれて、しかも笑われて合わせる顔が無い。


「俺、ちっちゃい頃から清華に、
           (せいか=姉)

〔四ツ葉のクローバーは自分の守りたい、大切な大好きな人にあげるもの。だから、ちゃんと大切にして。

じゃないと、四ツ葉は翔太自身にも、その大切な娘にも幸せを届けない。

ただ、見つけるだけじゃダメなのよ。〕


って言われたんだよな。
清華の話なんかいっつも流してたくせに
なんかそれだけは今でもずっと頭に残ってるんだ。

だから、俺は貰ったのは絶対大切にするし、
俺は大切な人にしか四ツ葉関係は絶対あげないって決めてんだ。」

優しく微笑むその姿は、彼にもう大切な人がいる事を全身で語ってた。

ダメだった初恋は、この気持ちはこれから封印していけるのかな。

ううん、していけるか、じゃない。

絶対にしていかなきゃいけないんだ。

この気持ちは誰にもバレちゃ…いけない。



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