恋愛戦争
調理器具を適当に借りて使ったことのある料理を選択し、彼女から見えないように野菜を切って入れていく。
俺はそれなりに彩りや、見た目にも気を使う女子みたいな一面もある男なので、盛るプレートも早々に選んでおいたものである。
ちなみに晶はそういうことは一切気にしないらしい。むしろ、だったら食べないという選択にするとも言っていたから、危険である。
あーだこーだと、脳内で独り言のオンパレードをしていると数品出来上がったので盛り付けて、切り分けたバケットもバスケットに入れて完成。
「できたー」
「………すごいね」
ドン引きされた。
「なんでドン引き?」
「朝食への気持ちが重い」
「そんなんねーよ」
テーブルに並んだのは二つのプレートで、ほうれん草とミニトマトのキッシュ、その他諸々の野菜をぶっこんだスープ、ベーコンアスパラ炒め、バケット。
まぁ、野菜盛りだくさんである。
晶はあからさまに嫌そうな顔をしている。
「作ってもらって申し訳ないけど…」
「食えよ」
早々に食事を辞退しようとするのでさっさとフォークとスプーンを手渡すとしぶしぶ、手をつける。
「あ、美味しい」
「いえーい」
「ほんとに美味しい」
ドン引きから一転、大絶賛である。それでもやっぱりだめなものはあるようで、スープに入っているパプリカを丁寧に避けている。
「晶、パプリカ溜まってるけど」
「食べたよ、ひとくち」
「どうだった?」
「主張の激しいやつだった」
お気に召さなかったらしい。
「栄養あるから食え」
「栄養はサプリで取れるよ。食は趣味みたいなものでしょ」
大いなる価値観の違いを叩きつけられた気がするが、ここで止まっていてはいけない。
めげるな俺。
「おばあさんが作ったら食べるの?」
「無になって食べる」
「俺のは?」
「無になって拒否」
スプーンですくったパプリカを見つめ、首を振る。
「やーだー」
正直めっちゃ可愛い。食べたくないとただをこねる子供みたいな晶は、ギャップがやばすぎて萌える。