風に恋したキミと
「えっ……」
「なんだよ、自分が見せること全然考えてなかったのかよ」
見せろよとぶっきらぼうに言うと、スっと桐島はわたしから短冊を取り上げると
予想外だったみたいでとってもびっくりした表情をしていた。
「…………」
「お前、短冊にこんな……」
びっくりして引くなら引けばいい。
こんなこと短冊に書くなよ!ってバカにしたっていい。
本当は陸上のこと、自分のことを書こうと思った。
だけど頭の中は今日桐島が笑ってくれたことでいっぱいで、一瞬で自分の願い事は後回しでもいいって思えたんだもん……。